補償文庫/HAGA|ライブラリー
Vol.14B-6.1建物「中断移転」実務講座
プロローグ
近時、土地区画整理とその関連事業にあって「中断移転」の事をよく耳にする。公団・公社施行の場合ばかりでなく、地方公共団体、組合施行においても中断の概念に当たる移転方法について、現場サイドでの要請は強いのだろう、と実感される。
『中断』という語彙・語感は、何か重要な取り組みをひとつ置き去りにしたような、或いは早くやらねばならぬ事を少し放置しているような感触があり、権利者に犠牲を強いるものという観念がありますが、事業の大枠で考えた場合、被補償者・施行者の双方にとって大きな効果に結びつくものなのです。
もっとも、この中断移転は、権利者とその家族全員の事業への協力と、そして事業をあずかる施行者に対する絶対的な信用がなければ到底成り立たない移転方法です。 その実情は、協議・応諾及び移転の実施について全く任意によるもので、絶大な理解があっての方法なのです。従って、施行者側の補償担当者および補償コンサルタント従事者自身も、処理方法の熟知と事業への熱意がなければキチンと対応することが出来ません。
■講座への誘い
私はかって、我が国最大規模のニュータウン事業において、多くの中断移転を体験しました。被補償者の顔が想い起され、それぞれの御協力には今でも感謝しているところです。
そんな環境にあって、中断の処理実務ばかりでなく、地元組織の調整、外部団体・税務に関する詳細協議、及び具体的な取扱い・運用方針の策定等の企画・管理の業務に長期間携わってきました。そうした経緯により、中断に関する一部始終を一応は心得ているつもりですので、ここで、中断補償の実務に関する技術的な内容等について、暫くの間連載してみることとします。
なお、この技術的内容については、法令等に係わる見解とか、事例の案内ではなく~
・従前に例のない取扱い基準の制定
・補償の本筋から逸脱しない範囲での運用
・地権者全体間の衡平性の確保
・生活ベースを根底においた措置 等
通常の移転補償以上に『実践と理論』の整合性を求められる事に対する取り組みを主軸として、換地・工事との関連性を横糸としながら進めるつもりです。
彼我を問わず各関係の方々にとって、少しは参考になるものと確信しているところです。
■実務講座のプログラム予定
- No2(B-6.2)「建物中断移転」の概要
- No3(B-6.3)中断移転のシステム
- No4(B-6.4)中断移転に係る事業上の施策・措置
- No5(B-6.5)中断の実技 その1.中断移転ならではの課題と対応
- No6(B-6.6)中断の実技 その2.中断に係わる特殊な取扱い・措置等
- No7(B-6.7)中断の実技 その3.中断を支える制度的側面
当講座の編集
このテーマは重要でかつ密度の濃い課題なので、手引書になるぐらいのキッチリした起稿でなければならないのしょうが、HPでの限界もあり、概要を流すことになってしまいます。なお、文書類の資料も多いのですが、別途の場とさせて頂きます。
なるべく順序だててストーリー性を持った展開とし、単調な口調・論調に陥らないようにしたいのですが、能力の問題もあり御容赦ください。
プログラム予定稿を集めれば『建物中断移転の実務』について、一応一渉り出来るものと思っていますが、お問合せ等がありましたら、ご一報ください。